今回のデータ分析はキタサンブラック産駒
ディープインパクト、キングカメハメハの2大種牡馬がこの世を去って以降、次にどの種牡馬が覇権を担うのかは未だ混沌としたままとなっています。
そんな時代の中、種牡馬1年目にして、年度代表馬イクイノックスがその産駒から誕生したキタサンブラック。
2年目産駒からも2023年皐月賞馬ソールオリエンスが誕生し、リーディングサイヤーに向け1歩抜け出そうかとしているかもしれません。
今回はキタサンブラック産駒の特徴、狙い目について主に2021年〜2022年のデータを使用して分析していきます。
G1 7勝 JRA生涯獲得賞金総額1位に輝いた現役時代
データ分析の前にまずは現役時代のキタサンブラックについての紹介です。
キタサンブラックは2012年にヤナガワ牧場で父ブラックタイド、母シュガーハート(母父 サクラバクシンオー)から誕生した牡馬です。
3歳の1月にデビュー戦となる新馬戦に勝利すると、そこから一気に500万、スプリングSと3連勝。
その勢いのまま春のクラシック初戦、皐月賞に出走すると3着と好走。
その後のダービーこそ14着と大敗したものの、一夏を越えてキタサンブラックは一気に本格化。
菊花賞トライアルのセントライト記念を勝利し重賞2勝目を飾ると、続く菊花賞でも5番人気評価を覆し見事勝利。
馬主である演歌歌手北島三郎氏に初のG1勝利をもたらしました。
古馬になったキタサンブラックは、武豊騎手との新コンビを結成、春秋天皇賞(うち天皇賞・春を2連覇)、ジャパンカップなど国内のビッグレースを数々制し名実ともにトップホースの仲間入りをすることとなります。
引退レースとなった有馬記念も完勝しG1 7勝を達成。この勝利で獲得賞金総額は18億7684万円となり、当時1位のテイエムオペラオーの記録を抜きJRA歴代1位に輝き、惜しまれつつ引退となりました。
引退後は社台SSで種牡馬入りし、初年度産駒から2022年年度代表馬イクイノックスが誕生するなどディープインパクト亡き今、次の時代を担う種牡馬として期待されています。
3頭に1頭の勝ち上がり率
まずはキタサンブラック産駒の勝ち上がり率を見ていきます。
出走数 | 勝ち馬数 | 勝ち上がり率 |
---|---|---|
124 | 44 | 35% |
2021年〜2022年のデータで見ると勝ち上がり率は35%という結果です。
約3頭に1頭は勝ち上がるという計算ですね。
上記は2021年〜2022年のデータでしたが、実は2023年7月時点の成績を考慮した場合は、もう少し勝ち上がり率が上昇します。
出走数 | 勝ち馬数 | 勝ち上がり率 |
---|---|---|
149 | 70 | 46% |
勝ち上がり率は46%とほぼ2頭に1頭は勝ち上がっているというデータとなります。
イクイノックスやソールオリエンスの活躍もあり、今後もキタサンブラック産駒は増えていくと思いますのでどのような勝ち上がり率になるのか推移を見守っていきたいですね。
キタサンブラック産駒の勝ち上がり率は約45%(2023年7月時点)
ノーザンファーム生産馬に注目
続いて生産牧場別の勝ち上がり率を出走頭数順に見ていきます。
生産牧場 | 出走頭数 | 勝ち馬数 | 勝ち上がり率 |
---|---|---|---|
ノーザンファーム | 45 | 22 | 49% |
社台ファーム | 18 | 8 | 44% |
ヤナガワ牧場 | 6 | 3 | 50% |
チャンピオンズファーム | 4 | 1 | 25% |
白老ファーム | 3 | 2 | 67% |
タガノファーム | 3 | 2 | 67% |
橋本牧場 | 3 | 1 | 33% |
下河辺牧場 | 3 | 2 | 67% |
村田牧場 | 3 | 1 | 33% |
ケイアイファーム | 3 | 1 | 33% |
2012年以降、最優秀生産者賞を獲得し続けているノーザンファームはやはり質の高い繁殖牝馬が揃っていることもあり、ノーザンファームで生産されたキタサンブラック産駒のほぼ半数が勝ち上がっています。
またキタサンブラック自身を生産したヤナガワ牧場も生産頭数こそ少ないものの、半数が勝ち上がりを見せていますので今後頭数が増えた時に注目しておきましょう。
質の高い繁殖牝馬が揃うノーザンファームで生産されたキタサンブラック産駒に注目
今後は産駒のダート成績が向上? コース別成績
続いてコース別成績データを見ていきます。
コース | 出走頭数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
芝 | 417 | 13% | 23% | 31% | 80% | 71% |
ダート | 149 | 11% | 19% | 32% | 53% | 94% |
全体的にダートより芝の方が成績が良いように見えます。
しかし今回見ているのは2022年までと産駒が3歳までのデータとなるため、そもそもダートレース自体が少ない状態のデータとなっています。
今後芝で上がり目がなくなった馬がダートに転向するなどしてダート出走馬が増えてくると、ダート成績も上昇してくる可能性は十分ありえると思います。
というのも2023年6月時点までと期間を伸ばしてコース別成績を見ると、ダートの成績が明らかに伸びているからです。
コース | 出走頭数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
芝 | 621 | 13% | 23% | 30% | 92% | 71% |
ダート | 250 | 14% | 22% | 34% | 98% | 95% |
ダート出走馬が2022年末から1.5倍になったにも関わらず勝率、連対率、複勝率、単勝回収率を大きく伸ばしてきています。
芝G1を7勝したキタサンブラックですが、意外にも産駒はダート適性が高いようなので今後もキタサンブラック産駒のダート馬に注目していきたいですね。
2023年に入り、キタサンブラック産駒のダート出走馬の成績が向上中!
芝は短い距離、ダートは中距離を狙え
距離 | 出走頭数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
〜1200m | 71 | 10% | 28% | 35% | 65% | 89% |
1201〜1600m | 176 | 13% | 24% | 31% | 165% | 84% |
1601〜2000m | 303 | 13% | 21% | 29% | 63% | 66% |
2001〜2400m | 62 | 11% | 15% | 26% | 37% | 40% |
2401m〜 | 9 | 33% | 33% | 44% | 246% | 58% |
キタサンブラック自身は現役時代芝の中距離〜長距離路線で活躍してきましたが、産駒の距離別成績を見ると今のところはスピードを求められるマイルまでの短距離路線の連対率、複勝率が高いです。
2022年アルテミスS勝ち馬のラヴェルや、2023年桜花賞2着のコナコーストなど、すでにマイルの重賞でも連対する馬も出ており、特に芝マイル路線でのキタサンブラック産駒に注目ですね。
一方でダート路線に関しては芝とは真逆の傾向が見て取れます。
距離 | 出走頭数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
〜1200m | 39 | 15% | 21% | 26% | 71% | 67% |
1201〜1600m | 54 | 11% | 19% | 33% | 50% | 97% |
1601〜2000m | 140 | 14% | 23% | 36% | 116% | 102% |
2001〜2400m | 17 | 24% | 29% | 47% | 168% | 105% |
キタサンブラック産駒のダート出走馬の成績を見ると、距離が長くなるほど複勝率が高くなる傾向があります。
ダートを走れる産駒はキタサンブラックのパワー、スタミナ面を受け継いでいる馬が多いのかもしれません。
ダート出走馬を狙う場合はマイルより長い距離に出走してきた馬の方を狙うと、回収率アップに近づけるのではないでしょうか。
芝は〜マイル(1600m)、ダートは1700m以上に出走してきた馬を狙え
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は次代を担う期待の種牡馬キタサンブラックの産駒について、その特徴についてデータ分析を行ってきました。
最後にキタサンブラック産駒についてのまとめです。
- 勝ち上がり率は約50%。ノーザンファーム生産馬を狙え
- 今後はダート路線の成績が向上していくと思われる
- 芝はマイルまでの距離に出走してきた馬が買い
- ダートはマイルより長い距離に出走した馬が買い
ぜひ今回のデータを参考にキタサンブラック産駒が出走するレースを攻略してください。