第80代ダービー馬キズナ
キズナは2010年に父ディープインパクト、母キャットクイルから産まれた牡馬です。
3歳時にはG3毎日杯、G2京都新聞杯をそれぞれ武豊騎手を鞍上に勝利。そのままの勢いでダービーに出走すると、後方から差し切りを決めて見事第80代ダービー馬に輝きました。
同じく3歳時には凱旋門賞に出走、惜しくも4着に敗れたものの日本中を沸かせてくれました。
4歳以降は2014年にまだG2時代の産経大阪杯で勝利したもののG1勝利はなく、2015年には屈腱炎を発症しそのまま惜しまれつつ引退、社台SSで種牡馬入り。
現役時代はそのキズナという馬名や武豊騎手復活の代名詞とも言える2013年のダービー勝利などからファンも多く、人気のある馬でした。
キズナ産駒は2019年に初年度産駒がデビューしており、代表産駒にはソングライン、アカイイトのG1馬やディープボンドなどの重賞勝ち馬がいます。
今回はキズナ産駒の2019〜2022年の4年間のデータを使用して産駒の特徴についてデータ分析していきます。
攻略のヒントだけ欲しい人へ
いちいちデータ検証に付き合ってられないという人も多いと思いますので、実際のデータを示す前に今回の記事の結論から。
キズナ産駒の攻略のヒント
- 芝、ダートとも中距離に強い
- 非根幹距離
- 馬体重480kg以上
- ダートは牡馬
それではこの結論について実際のデータを見ていきましょう!
芝はベタ買いしても回収率100%
まずはキズナ産駒の芝、ダートそれぞれの成績です。
コース | 出走頭数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|
芝 | 2385 | 0.098 | 0.188 | 0.276 | 118% | 96% |
ダート | 1515 | 0.103 | 0.187 | 0.273 | 92% | 80% |
勝率はダートコースの方がやや高いですが、芝でもダートでも大きな差はなく万能型の種牡馬なのではないでしょうか。
芝の単勝回収率は118%と100%をゆうに超え、キズナ産駒の芝レース出走馬の単勝は全て購入しても儲かるといった状態です。
芝もダートも安定した万能型種牡馬
距離種別ごとの成績 中距離が好成績!
続いてキズナ産駒の距離別成績データを検証していきます。
芝コース
距離 | 出走頭数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|
〜1200m | 402 | 0.072 | 0.152 | 0.239 | 72% | 86% |
1201〜1600m | 742 | 0.090 | 0.174 | 0.264 | 98% | 98% |
1601〜2000m | 1005 | 0.115 | 0.212 | 0.300 | 143% | 95% |
2001〜2400m | 166 | 0.096 | 0.181 | 0.271 | 189% | 112% |
2401m〜 | 70 | 0.071 | 0.214 | 0.300 | 70% | 115% |
ダートコース
距離 | 出走頭数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|
〜1200m | 236 | 0.055 | 0.106 | 0.169 | 57% | 53% |
1201〜1600m | 345 | 0.113 | 0.186 | 0.252 | 81% | 67% |
1601〜2000m | 864 | 0.112 | 0.211 | 0.308 | 103% | 91% |
2001〜2400m | 66 | 0.106 | 0.167 | 0.303 | 144% | 100% |
2401m〜 | 4 | 0.000 | 0.250 | 0.250 | 0% | 28% |
芝、ダートどちらも1700m〜2000mの中距離の成績が一番良いという結果が見えました。
実際に代表産駒のアカイイトや2020年の紫苑S勝ち馬のマルターズディオサ、2023年福島牝馬S勝ち馬ステラリアなど重賞でも1800m〜2000mあたりの距離で産駒の活躍が目立っていますね。
中距離路線で回収率が高い!
競馬場別成績 芝は万能!ダートは中山、中京
続いては競馬場ごとに得意なコースがあるかどうかをデータ検証していきます。
芝
中山競馬場の勝率と中京、小倉競馬場の回収率が低いですが、全体的なアベレージは高く芝コースではどの競馬場でも万能に走れるタイプですね。
競馬場 | 出走頭数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|
札幌競馬場 | 123 | 0.146 | 0.187 | 0.268 | 157% | 88% |
函館競馬場 | 93 | 0.118 | 0.194 | 0.290 | 151% | 94% |
福島競馬場 | 121 | 0.083 | 0.182 | 0.256 | 112% | 89% |
新潟競馬場 | 252 | 0.083 | 0.171 | 0.262 | 124% | 92% |
東京競馬場 | 273 | 0.099 | 0.198 | 0.289 | 154% | 100% |
中山競馬場 | 233 | 0.077 | 0.167 | 0.253 | 99% | 98% |
中京競馬場 | 350 | 0.086 | 0.166 | 0.271 | 88% | 88% |
京都競馬場 | 170 | 0.135 | 0.224 | 0.318 | 107% | 111% |
阪神競馬場 | 512 | 0.102 | 0.205 | 0.291 | 152% | 117% |
小倉競馬場 | 258 | 0.089 | 0.186 | 0.256 | 42% | 64% |
全体的にアベレージは高いが特に東京、京都、阪神の芝コースでは積極的に買い
コース別
コース別にみていくと、距離別データで検証したようにやはり競馬場は問わずに1800〜2000mあたりに良成績が集まっています。
コース | 出走頭数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|
札幌1800m | 29 | 0.207 | 0.241 | 0.379 | 100% | 86% |
京都外回り1800m | 29 | 0.172 | 0.276 | 0.310 | 150% | 54% |
東京2000m | 47 | 0.170 | 0.277 | 0.340 | 262% | 105% |
函館1800m | 30 | 0.167 | 0.300 | 0.433 | 144% | 116% |
新潟外回り1800m | 42 | 0.167 | 0.286 | 0.333 | 81% | 76% |
福島2000m | 31 | 0.161 | 0.258 | 0.355 | 214% | 132% |
阪神2200m | 32 | 0.156 | 0.250 | 0.313 | 308% | 118% |
新潟外回り2000m | 20 | 0.150 | 0.250 | 0.500 | 164% | 124% |
京都2000m | 41 | 0.146 | 0.244 | 0.341 | 75% | 189% |
京都1400m | 22 | 0.136 | 0.136 | 0.318 | 62% | 77% |
中京1400m | 67 | 0.119 | 0.194 | 0.284 | 99% | 78% |
小倉2000m | 68 | 0.118 | 0.235 | 0.309 | 50% | 56% |
函館1200m | 34 | 0.118 | 0.176 | 0.265 | 75% | 55% |
東京1800m | 68 | 0.118 | 0.235 | 0.368 | 189% | 119% |
新潟1400m | 26 | 0.115 | 0.154 | 0.308 | 398% | 199% |
馬券内率と回収率を考慮すると芝は以下のコースが狙い目!
- 東京2000m
- 函館1800m
- 福島2000m
- 阪神2200m
- 新潟2000m
- 東京1800m
- 新潟1400m
ダート
芝とは違い、競馬場ごとに得意、不得意が表れている感じがします。
ダートは芝で回収率が低かった中山、中京の単勝回収率が高くなっている一方で福島競馬場ではあまり成績が芳しくないですね。
阪神競馬場での複勝率は他の競馬場と比べて抜けて高いため、3連系の馬券やワイドの紐としてキズナ産駒を絡めていくのがいいかもしれません。
競馬場 | 出走頭数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|
札幌競馬場 | 42 | 0.143 | 0.143 | 0.214 | 46% | 33% |
函館競馬場 | 40 | 0.100 | 0.175 | 0.225 | 75% | 45% |
福島競馬場 | 47 | 0.064 | 0.085 | 0.128 | 83% | 57% |
新潟競馬場 | 121 | 0.116 | 0.198 | 0.248 | 66% | 52% |
東京競馬場 | 201 | 0.085 | 0.159 | 0.234 | 79% | 64% |
中山競馬場 | 153 | 0.111 | 0.157 | 0.248 | 156% | 84% |
中京競馬場 | 317 | 0.101 | 0.180 | 0.271 | 146% | 88% |
京都競馬場 | 91 | 0.077 | 0.198 | 0.286 | 56% | 100% |
阪神競馬場 | 407 | 0.118 | 0.238 | 0.344 | 67% | 97% |
小倉競馬場 | 96 | 0.083 | 0.146 | 0.240 | 44% | 70% |
単勝で妙味があるのは中山、中京。阪神ではワイドや3連系の馬券の紐で!
コース別
ダートコース別にみていくと、どの競馬場でも芝と同じく1800mの勝率が高くなっています。
コース | 出走頭数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|
札幌1700m | 33 | 0.182 | 0.182 | 0.212 | 58% | 27% |
阪神1400m | 106 | 0.160 | 0.226 | 0.302 | 108% | 82% |
中山1800m | 105 | 0.143 | 0.200 | 0.267 | 202% | 100% |
新潟1800m | 80 | 0.138 | 0.238 | 0.313 | 61% | 66% |
阪神1800m | 219 | 0.119 | 0.269 | 0.374 | 54% | 96% |
中京1800m | 127 | 0.118 | 0.197 | 0.291 | 259% | 127% |
中京1400m | 69 | 0.116 | 0.174 | 0.232 | 128% | 64% |
函館1700m | 27 | 0.111 | 0.222 | 0.259 | 63% | 50% |
東京1600m | 90 | 0.100 | 0.156 | 0.244 | 54% | 63% |
京都1400m | 20 | 0.100 | 0.250 | 0.300 | 47% | 82% |
東京2100m | 51 | 0.098 | 0.176 | 0.275 | 177% | 86% |
中京1900m | 65 | 0.092 | 0.200 | 0.385 | 39% | 84% |
京都1800m | 56 | 0.089 | 0.214 | 0.304 | 75% | 108% |
新潟1200m | 37 | 0.081 | 0.108 | 0.108 | 86% | 26% |
福島1700m | 38 | 0.079 | 0.105 | 0.158 | 103% | 71% |
馬券内率と回収率を考慮するとダートは以下のコースが狙い目!
- 中山1800m
- 中京1800m
非根幹距離のキズナ産駒!
距離別成績を見ると1800mに良成績が集中しているように見えるので、続いて根幹距離(400で割り切れる距離)、非根幹距離(400で割り切れない距離)で距離を分けてデータ分析します。
距離 | 出走頭数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|
根幹距離 | 1787 | 0.090 | 0.172 | 0.256 | 98% | 89% |
非根幹距離 | 2113 | 0.108 | 0.201 | 0.292 | 116% | 91% |
出走馬は非根幹距離の方が多いにも関わらず、成績は非根幹距離の方が根幹距離よりも良いということがわかります。
非根幹距離を得意とするのは、パワーやスタミナがある馬と一般的には考えられています。
この結果からはキズナ産駒はどちらかといえばスタミナ、パワータイプの馬が多いということでしょうか。
非根幹距離(400で割り切れない距離)にとにかく強い
性別別成績 ダートは牡馬
続いては性別別の成績です。
芝
まずは芝から。
性別 | 出走頭数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|
牡馬 | 1008 | 0.099 | 0.192 | 0.281 | 103% | 84% |
牝馬 | 1358 | 0.097 | 0.186 | 0.275 | 130% | 106% |
せん馬 | 19 | 0.053 | 0.053 | 0.158 | 42% | 51% |
芝は牡馬、牝馬も同じような成績ですが回収率が高いのは牝馬の方です。
妙味を狙うならキズナ産駒の牝馬を狙うのがよさそうです。
ダート
続いてはダートです。
性別 | 出走頭数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|
牡馬 | 887 | 0.113 | 0.200 | 0.310 | 105% | 89% |
牝馬 | 586 | 0.089 | 0.166 | 0.218 | 77% | 66% |
せん馬 | 42 | 0.095 | 0.214 | 0.262 | 37% | 89% |
ダートは牡馬と牝馬で割と大きく差が出ました。
元々牝馬のダート成績は芝と比較すると落ちる傾向はありますが、特にキズナ産駒のダート出走馬は牡馬の方が成績が良い傾向にあるようですので、覚えておきましょう!
芝は牡馬でも牝馬でも良成績。ダートは牝馬より牡馬!
馬体重は480kgより重いの馬が狙い目
非根幹距離が得意ということでパワー型の馬が多そうなイメージが沸きますので、馬体重別で成績に変化が現れるかデータを見ていきます。
芝
馬体重 | 出走頭数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|
〜438kg | 436 | 0.067 | 0.138 | 0.200 | 130% | 86% |
440〜458kg | 572 | 0.093 | 0.189 | 0.290 | 128% | 118% |
460〜478kg | 559 | 0.084 | 0.168 | 0.252 | 88% | 83% |
480kg以上 | 818 | 0.127 | 0.227 | 0.324 | 124% | 95% |
馬体重別に見ると480kg以上ある馬の勝率、連対率、複勝率が高くなっています。
ソングライン、アカイイト、ディープボンドなどのキズナ産駒代表産駒の重賞勝ち馬も480kg以上や500kg以上の馬格のある馬でしたので、イメージとデータが一致するのではないでしょうか。
ダート
馬体重 | 出走頭数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|
〜438kg | 159 | 0.044 | 0.094 | 0.126 | 84% | 45% |
440〜458kg | 289 | 0.087 | 0.166 | 0.256 | 71% | 78% |
460〜478kg | 358 | 0.101 | 0.201 | 0.274 | 132% | 87% |
480kg以上 | 709 | 0.124 | 0.209 | 0.313 | 83% | 85% |
ダートは回収率が高いのは462〜480kgの馬ですが、勝率、連対率、複勝率が高いのは芝と同じく480kg以上となっています。
馬券の軸や相手を検討する時には、やはりダートでも480kg以上の馬格のある馬から探し始めるのがよさそうですね。
芝もダートも馬体重480kg以上の勝率、連対率、複勝率が高い
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回はキズナ産駒の傾向についてデータ分析しました。
キズナ産駒攻略のヒントは
- 芝、ダートでも走る万能型
- 距離は1700〜2000mの中距離が得意
- 根幹距離より1800m、2200mなどの非根幹距離で!
- ダートでは牝馬より牡馬を狙え
- 480kg以上の馬
です。
ぜひ今回のデータを参考にキズナ産駒出走レースを攻略してください。