次走好走率を見よ!前走同レース出走馬の次走成績を回収率向上に繋げる

データ分析

競馬予想において、様々なファクターから馬券を組み立てる方法がありますが、今回は「前走同レース出走馬」という視点から馬券の回収率を向上させる方法を考えていきます。

あなたも経験があるのではないでしょうか?あるレースで「この馬は前走で◯◯と一緒に走っていて、◯◯が先週好走したから今日も来るかも」と思うことが。

この「前走で一緒に走った馬の次走成績」は本当に馬券に役立つのか、どのような時に信頼度が高いのかを探っていきたいと思います。

今回は2020年〜2024年のデータをもとに、前走で一緒に走った馬の次走成績から見る回収率向上のヒントを紹介していきます。

攻略のヒントだけ欲しい人へ

データ分析に付き合ってられないという人のために今回の記事の結論から。

前走同レース馬の次走成績から見る回収率向上のヒントは

  1. 前走メンバーが次走5頭以上複勝圏内に入っていると回収率高い
  2. 次走複数頭数複勝圏内に入っているレースに出走していて前走から2ヶ月〜半年以内出走馬を狙う
  3. 条件戦において頭打ち馬を消す
  4. 未勝利戦では新馬戦勝ち上がり数と組み合わせて回収率向上

です。

それではこの結論について詳しく見ていきましょう。

前走同レース馬の次走好走率と回収率の傾向

「前走同レース馬」という指標は、多くの競馬ファンが予想の際に気にするポイントの一つです。

あるレースに出走した馬が次走でどのような成績を残すのか、2020年〜2024年の過去5年間のデータから詳しく分析していきましょう。

次走複勝圏内馬数対象数勝率連対率複勝率単勝回収率複勝回収率
1頭336878%15%23%71%76%
2頭227487%15%22%81%79%
3頭125067%15%22%73%75%
4頭57397%14%21%69%80%
5頭21618%15%23%85%79%
6頭以上10639%16%24%119%101%
前走メンバーの次走複勝圏内馬数別成績 2020~2024年度

まず全体成績で注目したいのは、前走好走馬が5頭以下の場合は複勝回収率が80%前後に落ち着く傾向にあるということです。

最終オッズ40倍以内に絞る

続いて大穴馬を除いた最終オッズが40倍以内の馬に絞って成績を見てみましょう。

次走複勝圏内馬数対象数勝率連対率複勝率単勝回収率複勝回収率
1頭2174411%22%34%80%81%
2頭1389812%23%33%82%80%
3頭755812%23%33%85%87%
4頭344611%22%32%85%83%
5頭132112%23%34%84%91%
6頭以上62514%25%35%121%95%
前走メンバーの次走複勝圏内馬数別成績 2020~2024年度 最終オッズ40倍以内

最終オッズ40倍以内で絞ると、次走複勝圏内の馬が6頭以上いるレースに出走していた馬の単勝回収率が大幅に上昇していることがわかります。

複勝回収率に関しても5頭以上の場合、90%を超えており前走メンバーが好走している頭数が多いレースに出ていた馬ほど回収率に直結していることがわかってきます。

有名予想家とうけいば氏の著書「降格ローテ」でも指摘されているように、単勝オッズ40倍以下の馬は比較的安定した回収率が期待できます。同書によれば、単勝オッズ40倍以下の馬をベタ買いした場合の回収率は約80%となり、それ以上のオッズ帯と比較して高い値を示しています。
特に100倍以上の大穴馬に関しては、回収率が約60%まで下がるとされ、多くの大穴馬が実力以上に過剰人気になっていることを示唆しています。言い換えれば、大穴馬はイメージほど「旨味」がないというわけです。
詳しくはとうけいば氏の「降格ローテ」を読んでみてください。

前走クラスと同じクラスの場合で見る前走同レース馬の次走成績

クラスが変わると馬の実力差や競争条件も変わるため、前走同レース馬のその後の活躍にも差が出る可能性があります。

さらに詳しく分析するために、今度はクラス条件別の成績を見ていきましょう。

次走複勝圏内馬数対象数勝率連対率複勝率単勝回収率複勝回収率
1頭2312211%22%33%80%81%
2頭1527611%22%32%81%80%
3頭842911%22%32%86%85%
4頭393911%21%31%83%83%
5頭148511%22%32%85%88%
6頭以上70613%25%34%120%97%
前走と同じクラスの成績前走メンバーの次走複勝圏内馬数別成績 2020~2024年度 最終オッズ40倍以内 未勝利・条件戦前走と同じクラス

まずは前走と同じクラスで出走した馬の成績です。

次走複勝圏内馬数が1〜4頭の場合は勝率や回収率に大きな変動は見られませんが、6頭以上になると単勝回収率は大幅に上昇します。

前走と同じクラスの条件下では、次走複勝圏内馬数が増えるにつれて複勝率も向上する傾向にあり、より多くの馬が好走している場合には、やはりそのレースの水準が高かったと判断できます。

前走と同クラス同トラック

さらに前走と同じクラスかつ同じトラック(芝・ダート)という条件でさらに絞っていきます。

次走複勝圏内馬数対象数勝率連対率複勝率単勝回収率複勝回収率
1頭2095511%23%34%80%81%
2頭1343312%23%33%82%80%
3頭733412%23%33%86%87%
4頭335011%22%32%83%83%
5頭126612%23%34%86%91%
6頭以上59814%26%36%126%98%
前走と同じクラスの成績前走メンバーの次走複勝圏内馬数別成績 2020~2024年度 最終オッズ40倍以内 未勝利・条件戦前走と同じクラス、同トラック

この条件でも次走複勝圏内に6頭以上入った馬がいるレースに出走していた馬の成績は、全体的に高めになっています。

同じトラック条件での出走は馬の得意不得意が反映されやすく、前走での経験が直接活かされやすい環境と言えます。

データからは、クラスだけでなくトラック条件も一致させることで、前走同レース馬の指標としての精度が向上することが示されています。前走と同じレース条件で好成績を残した馬に注目することで、より的確な予想が可能となります。

  • 前走メンバーが5頭以上次走複勝圏内に入っているレースに出走していた馬を狙え

出走間隔別成績:短い間隔の間に前走メンバーが複数頭好走している馬を狙え

短い間隔の間に前走一緒に走った馬が複勝圏内に複数頭入っていた場合、そのレースはレベルが高かったのではないか。という推測は容易にすることができます。

そこで続いては前走メンバーが複勝圏内に複数頭入った場合の自身の出走間隔別成績を見ていきます。

出走間隔対象数勝率連対率複勝率単勝回収率複勝回収率
1ヶ月1605212%25%37%80%82%
2ヶ月1172811%23%33%83%83%
3ヶ月969912%22%33%86%84%
4ヶ月449710%20%30%79%78%
5ヶ月209010%20%28%81%79%
6ヶ月9859%19%28%83%89%
7ヶ月6619%18%29%71%89%
8ヶ月4198%16%25%68%75%
9ヶ月2226%16%26%64%86%
10ヶ月17310%21%28%88%79%
11ヶ月10811%16%19%97%62%
12ヶ月8810%11%23%111%73%
13ヶ月以上2149%19%29%98%100%
次走複勝圏内馬数2頭以上 2020~2024年度 最終オッズ40倍以内 未勝利・条件戦前走と同じクラス、同トラック

前走メンバーの次走好走が確認できる期間が1ヶ月程度と短い場合、そのレースのレベルの高さは明確に示されますが、その情報がオッズに織り込まれていることが回収率からわかります。

前走メンバーの次走成績という指標は、レースレベルを測る重要な要素ですが、その情報がオッズに織り込まれる度合いは間隔によって異なるという点が重要そうです。

  • 前走から短い間隔の間に複数頭数次走複勝圏内に入っているほうが成績が良い
  • 回収率の期待値を追うのであれば前走から2〜3ヶ月以内に前走メンバーが好走している馬を狙う

条件クラス別成績:頭打ち馬を消せ!

条件クラス出走数勝率連対率複勝率単勝回収率複勝回収率
未勝利戦875313%25%36%89%85%
1勝1008711%22%33%81%83%
2勝489610%20%30%83%81%
3勝223610%19%28%83%85%
クラス別成績 次走複勝圏内馬数2頭以上 2020~2024年度 最終オッズ40倍以内 条件戦前走と同じクラス、同トラック

前走同レース馬の次走成績データを条件クラス別に分析すると、未勝利戦では勝率13%と最も高い数値を示していますが、上のクラスに進むにつれて徐々に低下し、3勝クラスでは10%まで下がっています。

連対率や複勝率についても同様の傾向が見られ、クラスが上がるにつれて好走確率は緩やかに減少しています。

回収率に注目すると、未勝利戦の単勝回収率は89%と比較的高い水準を維持していますが、1勝クラスでは81%まで下がっています。

2勝と3勝クラスでは再び回収率が改善する傾向にありますが複勝回収率はクラス間でそれほど大きな差はなく、80%台前半から後半の控除率の範囲で推移しています。

全体として、クラスが上がるほど競争が激しくなり予想が難しくなる傾向が見られますが、回収率の観点では必ずしもクラスの高さと比例関係にはないことがわかります。

頭打ち馬を除く

前回の記事では条件戦における頭打ち馬の判定基準を示しました。

  • 出走回数:1勝クラス16回以上、2勝クラス15回以上
  • 掲示板外数:勝ち上がりの壁以上、クラス頭打ちの壁以内の出走数で5回以上の掲示板外経験
  • 直近半年以内の3着以内経験:勝ち上がりの壁以上、クラス頭打ちの壁以内の出走数で半年以内の3着以内経験なし

その基準に該当する馬を除いたデータを見ていくと成績が向上します。

条件クラス出走数勝率連対率複勝率単勝回収率複勝回収率
1勝579915%28%39%91%90%
2勝270614%28%40%93%96%
3勝134314%25%36%100%99%
クラス別成績 次走複勝圏内馬数2頭以上 2020~2024年度 最終オッズ40倍以内 条件戦前走と同じクラス、同トラック 頭打ち馬のぞく

頭打ち馬を除外したデータでは、勝率は各クラスともに13〜14%と非常に安定しており、クラスによる大きな差が見られません。

連対率も25〜28%、複勝率も36〜40%と安定しており、クラスに関わらず一定の好走確率を示しています。

回収率面では顕著な改善が見られ、どの条件クラスでも単勝回収率、複勝回収率ともに90%を超え、特に3勝クラスの複勝回収率は100%を超えています。

頭打ち馬を除外することで、本来の力を発揮できる馬に絞り込んだ結果と考えられます。

このデータは、頭打ち馬を見極めることの重要性を示しており、適切な馬選びによって回収率を大幅に改善できるということの証明です。

  • 前走メンバーが複数頭数、次走複勝圏内に入っている馬を条件戦で狙う場合、頭打ち馬を除外すると回収率向上が期待

未勝利戦では新馬戦勝ち上がり数を組み合わせて。

未勝利戦は勝ち星を挙げていない馬同士の対決となるため、実力が拮抗していると思われがちです。しかし、そのレースに集まった馬の質には差があります。

次走複勝圏内馬数が複数頭のレースに前走出走していた馬の新馬戦勝ち上がり馬数別成績は以下のとおりです。

新馬戦勝ち上がり馬数対象数勝率連対率複勝率単勝回収率複勝回収率
1頭218813%26%36%87%83%
2頭354313%25%35%92%83%
3頭291112%24%35%82%85%
4頭192212%24%33%83%83%
5頭110813%24%34%101%81%
6頭以上109712%23%32%92%84%
次走複勝圏内馬数2頭以上 2020~2024年度 最終オッズ40倍以内 未勝利戦

新馬戦からの勝ち上がり頭数によって、勝率や回収率に差が生じていることがわかります。

特に注目すべきは、勝ち上がり数が「5頭」のケースで単勝回収率が101%と突出していることです。

これは、質の高い新馬戦で実戦経験を積んだ馬が未勝利戦に進んでくる場合、能力を発揮しやすい傾向があることを示しています。

新馬戦と同トラック

新馬戦勝ち上がり数対象数勝率連対率複勝率単勝回収率複勝回収率
1頭141314%27%38%83%81%
2頭232013%26%37%94%85%
3頭176214%26%37%81%87%
4頭110112%24%35%86%85%
5頭61014%25%36%112%84%
6頭以上55113%23%33%89%84%
次走複勝圏内馬数2頭以上 2020~2024年度 最終オッズ40倍以内 未勝利戦 前走同トラック 新馬戦同トラック

トラック適性を考慮したデータでは、さらに興味深い傾向が見えてきます。特に「5頭」の勝ち上がりケースでは、単勝回収率が112%と高い数値を示しています。「2頭」の勝ち上がりケースでも単勝回収率が94%となっています。

同じトラックで実戦経験を積んだ馬は、コースの特性に慣れているため、パフォーマンスが安定する傾向があります。

  • 未勝利戦では、前走出走メンバーの次走複勝圏内率と新馬戦勝ち上がり頭数と組み合わせることで回収率が向上
  • 新馬戦勝ち上がり頭数が「5頭」以上で、前走・新馬戦と同トラックの条件では、単勝回収率が112%と非常に高い

まとめ

あるレースから多くの馬が次走で好成績を収めている場合、そのレースのレベルが高く次走のレースに影響を与えていることがデータを分析して見えました。

また条件戦の頭打ち判定馬を除外することで回収率向上を狙えることもわかりました。

前走同レース馬の次走成績を追跡することで、表面上の結果だけでは見えない「隠れた好レース」を発見することができ、中長期的な馬券戦略に役立てることができるでしょう。

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