今回は昇級馬の狙い目について2013年〜2022年の過去10年間を対象にデータ検証していこうと思います。
というのも昇級馬は馬柱がよく見えてしまうので、どうしても思考停止で買ってしまいがちなんですよね。
馬券成績を向上させるためには、馬柱に騙されずどのような昇級馬なら買っていいのかを知っておく必要があります。
なお現在廃止されている降級馬を含めてしまうと、今の競馬では条件として使えないので勝利した次走で同じクラスを走った馬(降級馬)はデータからは除いています。
攻略のヒントだけ欲しい人へ
いちいちデータ検証に付き合ってられないという人も多いと思いますので、実際のデータを示す前に今回の記事の結論から。
昇級馬の狙いのヒント
- ダートよりも芝で狙え
- 勝ち上がりのタイムが優秀な馬
- 前走1勝クラスor2勝クラス
それではこの結論について実際のデータを見ていきましょう!
前走の勝ち馬だけを単純に購入した場合
まずは前走の勝ち馬という条件以外の条件をつけずに、購入した場合の前走クラス別勝率、複勝率、単勝回収率、複勝回収率を見ていきます。
前走クラス | 出走頭数 | 勝率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|
新馬 | 2834 | 12% | 32% | 77% | 75% |
未勝利 | 11269 | 8% | 24% | 68% | 72% |
1勝 | 9882 | 11% | 30% | 79% | 81% |
2勝 | 4318 | 12% | 32% | 74% | 83% |
3勝 | 1787 | 10% | 27% | 70% | 72% |
やはり闇雲に買うだけでは回収率は100%を大きく下回るということがわかります。
単純に前走の勝ち馬を買うだけで儲かるなら、競馬なんて簡単ですからね 笑
昇級馬ベタ買いではダメ
検証1 芝、ダートで傾向が変わるか?
次に今回走るコースによって傾向が分かれるか検証するため、芝、ダートそれぞれで勝率、複勝率、単勝回収率、複勝回収率を出してみます。
※前走クラスは芝、ダート問わず
芝
前走クラス | 出走頭数 | 勝率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|
新馬 | 2079 | 13% | 33% | 83% | 77% |
未勝利 | 5516 | 9% | 27% | 77% | 76% |
1勝 | 4614 | 14% | 35% | 94% | 89% |
2勝 | 2346 | 12% | 34% | 76% | 87% |
3勝 | 1056 | 12% | 29% | 82% | 79% |
ダート
前走クラス | 出走頭数 | 勝率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|
新馬 | 755 | 11% | 30% | 62% | 68% |
未勝利 | 5753 | 7% | 22% | 60% | 67% |
1勝 | 5268 | 9% | 25% | 66% | 74% |
2勝 | 1972 | 12% | 31% | 72% | 78% |
3勝 | 731 | 8% | 24% | 53% | 62% |
芝コースの方が、前走のクラスは関係なく昇級馬の勝率、複勝率、回収率が上回っています。
特に今走芝のレースで、前走1勝クラスを勝ってきた馬の単勝回収率が90%を超えていますね。
昇級馬を狙うなら芝コース
検証2 前走の走破タイムが優秀な馬を狙う
今のままではまだ回収率が低いので、今度走破タイムを条件に加えてみます。
単純な走破タイムを使用するだけではコースや距離、馬場状態などを考慮できていないので、今回はTARGET frontierJVの補正タイムを使用します。
TARGETの補正タイムの説明によると
補正タイムは、基準タイムをもとに距離の違いとクラス移動を考慮してその中心を100であらわしたものです。
https://targetfaq.jra-van.jp/faq/detail?site=SVKNEGBV&id=595
とあるので、補正タイムを条件とすることで異なるレース条件で記録したタイムを同じ基準で比較できます。
100が中心ということなので、補正タイム101以上を基準以上として絞り込みし、勝率、複勝率、単勝回収率、複勝回収率を出してみます。
芝
前走クラス | 出走頭数 | 勝率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|
新馬 | 845 | 16% | 38% | 61% | 76% |
未勝利 | 3261 | 11% | 31% | 79% | 78% |
1勝 | 2209 | 18% | 42% | 101% | 92% |
2勝 | 866 | 18% | 43% | 92% | 96% |
3勝 | 314 | 16% | 35% | 98% | 88% |
ダート
前走クラス | 出走頭数 | 勝率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|
新馬 | 447 | 16% | 39% | 86% | 76% |
未勝利 | 3858 | 9% | 27% | 69% | 72% |
1勝 | 3531 | 11% | 31% | 71% | 81% |
2勝 | 1032 | 17% | 38% | 86% | 81% |
3勝 | 410 | 12% | 29% | 57% | 67% |
芝もダートも全体的に回収率がアップしましたね。元々回収率が高かった芝での前走1勝クラス勝利馬は回収率100%を超えました。
この結果から、前走の走破タイムが基準以上の場合は昇級戦でも十分戦えることがわかります。
勝ち上がりタイムが優秀なら昇級戦でも即通用!
検証3 走破タイムがいい馬の自己条件に出走する場合を狙う
未勝利戦、1勝、2勝クラス勝ち馬は次走自己条件ではなく格上挑戦する場合もあるので、検証2の走破タイムの条件に加えて格上挑戦を除いてデータを検証します。
芝
前走クラス | 出走頭数 | 勝率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|
新馬 | 343 | 17% | 42% | 62% | 76% |
未勝利 | 2443 | 13% | 34% | 81% | 81% |
1勝 | 1717 | 19% | 43% | 100% | 92% |
2勝 | 722 | 19% | 44% | 98% | 96% |
ダート
前走クラス | 出走頭数 | 勝率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|
新馬 | 435 | 16% | 39% | 87% | 77% |
未勝利 | 3834 | 9% | 27% | 69% | 72% |
1勝 | 3113 | 11% | 30% | 71% | 80% |
2勝 | 967 | 17% | 38% | 84% | 82% |
今走芝レースの、前走未勝利または2勝クラス勝ち馬の場合は格上挑戦を除くことで単勝回収率、複勝回収率とも改善しました。
特に早い時期での未勝利戦勝ち馬は、次走が重賞などの場合もあるため自己条件のみに絞ることで単勝回収率、複勝回収率がよくなったのでしょうか。
ダートの場合は番組編成の都合もあるのでしょうが、格上挑戦を除いても頭数がそんなに変わらないため回収率も格上挑戦を除かない場合とほぼ同じです。
格上挑戦の昇級馬より自己条件の昇級馬を狙え!
検証4 期待値が高い馬を狙う
ここで1つ、前走勝ってきた馬は馬柱の見栄えがよくなるためオッズが低くなる傾向があるのではないかという仮説を立てます。
検証2で出た勝率と実際のオッズをかけた値を期待値とし、期待値が1を超える馬だけを購入した場合の回収率を検証します。
芝
前走クラス | 出走頭数 | 勝率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|
新馬 | 427 | 5% | 20% | 41% | 71% |
未勝利 | 1790 | 4% | 17% | 76% | 75% |
1勝 | 1290 | 9% | 26% | 106% | 93% |
2勝 | 482 | 8% | 30% | 94% | 103% |
3勝 | 193 | 7% | 23% | 99% | 89% |
ダート
前走クラス | 出走頭数 | 勝率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|
新馬 | 228 | 6% | 21% | 97% | 70% |
未勝利 | 1938 | 3% | 14% | 71% | 73% |
1勝 | 1853 | 4% | 16% | 62% | 80% |
2勝 | 582 | 7% | 23% | 81% | 76% |
3勝 | 210 | 2% | 13% | 38% | 55% |
芝レースは前走1勝クラス以上の昇級馬については期待値の高い馬を狙うことで回収率が上がりました。
一方ダートに関しては新馬勝ち上がりの馬か未勝利勝ち上がりの場合は単勝回収率が改善しましたが、他の条件の場合は回収率が大きく下がってしまいました。
なお今回の検証ではオッズに関しては確定オッズを使用しましたので、実際に購入する場合は最終的に期待値が1を下回るケースがあるかもしれません。
期待値を意識して購入!
検証5 期待値が高い馬を狙う(自己条件のみ)
検証4は格上挑戦の場合も含めていたので、条件馬は今度は自己条件のみに出走した場合のみで期待値1以上の馬を購入した場合どうなるかを検証してみます。
芝
前走クラス | 出走頭数 | 勝率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|
新馬 | 147 | 7% | 23% | 54% | 69% |
未勝利 | 1376 | 5% | 20% | 82% | 80% |
1勝 | 1012 | 9% | 29% | 106% | 93% |
2勝 | 404 | 9% | 32% | 105% | 102% |
ダート
前走クラス | 出走頭数 | 勝率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|
新馬 | 221 | 6% | 21% | 100% | 72% |
未勝利 | 1922 | 3% | 14% | 71% | 72% |
1勝 | 1661 | 4% | 16% | 62% | 78% |
2勝 | 553 | 7% | 24% | 76% | 78% |
自己条件の出走に絞ることで期待値1以上を狙うことで3パターンで回収率100%を超えることがわかりました。
今まで回収率が100%を超えなかったダートでもようやく回収率が100%を超えることが出来ましたね。
特に今走芝、前走2勝クラス勝ち上がりの馬の場合は複勝回収率も100%を超えており、狙わない手はないでしょう!
格上挑戦している馬より自己条件に出走してきた昇級馬を狙え
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は昇級馬の狙い方について検証してみました。
最後にまとめです。
- 前走の勝ち馬だけを単純に購入するだけでは回収率が低い
- 芝コースの方が昇級馬の回収率が高い傾向
- 特に前走1勝クラスor2勝クラスを勝ってきた馬は芝コース出走で妙味あり!
- TARGETを駆使して前走補正タイム101以上で勝ってきた馬を狙え
- 格上挑戦より自己条件馬
昇級馬は馬柱で目立って見えるためどうしても食指が伸びますが、昇級馬を狙う場合は今回の記事をヒントに回収率を上げていきましょう!