初めてダートを走る馬は狙い目なのか、それとも危険な選択肢なのか?
ダート適性を見極めるためには、どこに注目すればよいのか?
激走するかもしれないからとりあえず抑えておけ。と点数が増えた経験は競馬好きなら1度だけではないはずです。
今回は過去のデータから初ダート馬の成績や傾向を徹底分析し、狙うべきポイントを明らかにしていきます。
この記事を読めば、初ダート馬の攻略法がわかり、馬券の的中率アップにつながるはずです!
初ダート出走馬全体の成績
まず初めに初ダート出走馬の年度別成績を見ていきます。
年度 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
2015 | 6% | 10% | 15% | 74% | 64% |
2016 | 5% | 10% | 15% | 65% | 71% |
2017 | 6% | 10% | 15% | 79% | 67% |
2018 | 6% | 11% | 16% | 76% | 71% |
2019 | 5% | 11% | 15% | 67% | 62% |
2020 | 6% | 11% | 16% | 105% | 80% |
2021 | 7% | 11% | 17% | 67% | 61% |
2022 | 6% | 13% | 18% | 59% | 67% |
2023 | 7% | 11% | 16% | 80% | 58% |
2024 | 6% | 11% | 17% | 61% | 61% |
過去10年間(2015年〜2024年)のデータを見ると、初ダート出走馬の全体勝率は約6%、連対率は11%、複勝率は16%となっています。
また、単勝回収率は73%、複勝回収率は66%とどちらも低い回収率となっており初ダート馬は基本的に切りを前提に馬券戦略を考えるのが最適のように思います。
穴馬を除外した成績
初ダート出走してくる馬は力が足りないという可能性はあるのでオッズ40倍以下の馬に限定してデータを見てみます。
勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|
10% | 18% | 26% | 83% | 76% |
オッズを限定したことで力の足りない馬が除外されたため成績自体は向上はしますが、それでも単勝回収率は83%、複勝回収率は76%と100%には遠く及ばずです。
年度別の傾向
過去10年間の年度別で初ダート出走馬成績を見てみると、どの年も勝率は10%前後、複勝率は25~30%で安定しています。
単勝回収率が100%を超えた年はなく、初ダート出走馬を狙ってもプラス収支にはなりづらい傾向が見られます。
年度 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|
2015 | 9% | 17% | 25% | 90% | 75% |
2016 | 9% | 17% | 24% | 66% | 74% |
2017 | 10% | 17% | 25% | 79% | 76% |
2018 | 10% | 18% | 26% | 88% | 75% |
2019 | 9% | 18% | 26% | 94% | 84% |
2020 | 10% | 18% | 26% | 90% | 78% |
2021 | 11% | 19% | 27% | 83% | 76% |
2022 | 11% | 21% | 29% | 80% | 80% |
2023 | 11% | 19% | 25% | 92% | 70% |
2024 | 10% | 19% | 28% | 67% | 72% |
クラス別成績
初ダート馬は未勝利戦や1勝クラスの出走が大半を占めています。
これはキャリアの早い段階で芝で頭打ちになった馬や足元に不安がある馬が、ダートに出走してくるケースが多いためと考えられます。
クラス | 対象馬数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
未勝利 | 9125 | 11% | 19% | 28% | 85% | 78% |
1勝クラス | 1716 | 8% | 15% | 22% | 72% | 71% |
2勝クラス | 283 | 6% | 10% | 14% | 84% | 51% |
3勝クラス | 133 | 11% | 14% | 17% | 110% | 64% |
オープン | 122 | 5% | 11% | 11% | 86% | 56% |
重賞 | 29 | 7% | 17% | 17% | 57% | 78% |
成績を見てみると出走の少ない3勝クラスでは単勝回収率110%と100%を超えていますが、年間の出走数が10頭程度と少ないため、狙い目とは言えません。
未勝利戦では勝率11%、連対率19%、複勝率28%と比較的高めですが、単勝回収率は85%、複勝回収率は78%と100%には届きません。
1勝クラスでも同様に、勝率8%、連対率15%、複勝率22%と、回収率の面では厳しい結果となっています。
また、オープンや重賞レースでは回収率が低く、初ダート馬がいきなり上級条件で活躍するのは難しい傾向が見られます。
初ダート適性を見極めるなら、母馬の成績を見よ!
ここまで見てみると初ダート出走馬に狙い目はなさそうですが、ここからが今回の記事の本題です。
下記のデータは母馬のある条件に注目した時の初ダート出走馬の成績ですが、回収率がグッと上昇しているのがわかります。
対象馬数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|
1114 | 14% | 25% | 33% | 102% | 94% |
そのある条件とは未勝利戦で母馬が現役時代にJRAダートで2勝以上していた馬の産駒の初ダート出走です。
よくテレビやラジオの競馬中継の勝ち馬プロフィール紹介で「父は〇〇、母は現役時代中央のダートで3勝の△△」のようなワードを耳にしませんか?
あれって関係あるのかな?と思っていた人もいると思うのですが、今回データを調査して初ダート出走においては母馬の現役時代の成績が回収率向上に関係しているということが分かりました。
年度別
年度 | 出走馬数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
2015 | 105 | 14% | 29% | 36% | 158% | 107% |
2016 | 114 | 8% | 19% | 31% | 52% | 99% |
2017 | 113 | 10% | 21% | 27% | 90% | 93% |
2018 | 129 | 12% | 23% | 30% | 111% | 82% |
2019 | 115 | 11% | 24% | 33% | 105% | 130% |
2020 | 123 | 12% | 21% | 28% | 93% | 82% |
2021 | 124 | 19% | 27% | 38% | 115% | 88% |
2022 | 93 | 15% | 25% | 40% | 111% | 97% |
2023 | 102 | 19% | 31% | 38% | 114% | 89% |
2024 | 96 | 17% | 30% | 36% | 74% | 80% |
年度別に見ても、多くの年で単勝回収率は90%以上を維持しており、大半の年で100%を超える結果が出ていますが下振れを引いている年もあるため、他の要素と組み合わせて狙い目を見極めてみたいと思います。
さらに狙うなら牡馬
元々ダートではパワーの違いから牝馬より牡馬を狙うことが定説とされていますが、初ダート馬においても例外ではなく、性別別にデータを見てみると牡馬と牝馬で出走数はほぼ同じにも関わらず、成績・回収率ともに牡馬が圧倒しています。
性別 | 出走馬数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
牡馬 | 556 | 16% | 29% | 40% | 121% | 110% |
牝馬 | 543 | 11% | 20% | 27% | 77% | 78% |
セン馬 | 15 | 20% | 27% | 27% | 319% | 117% |
初ダート出走、激アツ厩舎
母馬と性別に注目することで、初ダート出走馬の回収率が向上することが分かりましたが、他の要素はどうかも見ていきます。まずは初ダート出走の成績が良い厩舎
厩舎 | 出走馬数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
木村 哲也 | 54 | 22% | 31% | 35% | 210% | 90% |
中内田 充正 | 46 | 20% | 28% | 37% | 120% | 83% |
加藤 征弘 | 70 | 19% | 29% | 41% | 162% | 104% |
辻野 泰之 | 16 | 19% | 25% | 31% | 178% | 62% |
田中 博康 | 62 | 18% | 27% | 37% | 168% | 123% |
高柳 大輔 | 52 | 17% | 21% | 31% | 181% | 155% |
堀 宣行 | 49 | 16% | 27% | 29% | 70% | 89% |
萩原 清 | 76 | 16% | 26% | 33% | 107% | 119% |
藤原 英昭 | 55 | 16% | 18% | 24% | 120% | 71% |
木村哲也厩舎や中内田厩舎など、リーディング上位の成績を残している厩舎は(いい馬が揃っているということもあるかもしれませんが)適性の見極め力もあるようで、初ダート馬での成績が優れています。
勝率が15%超えの厩舎は9つ。これらの厩舎の所属馬が初ダートに出走してきたら馬券は押さえておきたいところです。
種牡馬の狙い目はナダル、ドレフォン
母馬の現役時代のダート実績が重要であることは先ほど示しましたが、父つまり種牡馬ではどうでしょうか。
なおこちらは過去10年成績だとすでに種牡馬を引退している馬も多く含まれるため、過去5年成績としています。
種牡馬名 | 出走馬数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ダノンレジェンド | 16 | 31% | 31% | 38% | 289% | 127% |
ファインニードル | 18 | 28% | 28% | 33% | 192% | 94% |
ナダル | 15 | 27% | 47% | 53% | 87% | 79% |
ニューイヤーズデイ | 25 | 24% | 40% | 44% | 114% | 104% |
トゥザワールド | 14 | 21% | 36% | 36% | 117% | 78% |
キングカメハメハ | 93 | 20% | 29% | 32% | 152% | 90% |
トランセンド | 10 | 20% | 20% | 30% | 214% | 79% |
ダノンバラード | 16 | 19% | 19% | 19% | 65% | 29% |
リーチザクラウン | 16 | 19% | 25% | 44% | 189% | 150% |
ドレフォン | 124 | 19% | 27% | 37% | 158% | 97% |
2024年に初年度産駒がデビューしたばかりながら、すでにそのダート適性は馬券購入者の知るところとなっていて初ダート馬の回収率は目立たないナダル産駒。回収率は高くなく妙味は少ないながら、複勝率は53%とかなり高い数字で3連系の相手には必ず押さえておきたいところです。
該当出走馬が多くいながら好成績、高回収率なのはドレフォン産駒。見つけたらこれも狙い撃ちしたい種牡馬の1頭です。
未勝利戦で現役時代2勝以上した母馬の初ダート出走を狙え 牝馬より牡馬 ナダル産駒の初ダート出走馬は複勝率50%超え ドレフォン産駒の初ダート出走馬は勝率、回収率ともに高めまとめ
いかがだったでしょうか。
今回は狙いの難しい初ダート出走馬の狙い方について検証しました。
まとめると
- 未勝利戦で現役時代2勝以上した母馬の初ダート出走を狙え
- 牝馬より牡馬
- ナダル産駒の初ダート出走馬は複勝率50%超え
- ドレフォン産駒の初ダート出走馬は勝率、回収率ともに高め
この狙い目を参考にぜひ回収率向上に繋げてください!